腱鞘炎筋肉の動きを伝えて関節を動かす組織が腱を包む腱鞘は、腱の動きの方向を決定したり、腱の動きをスムーズにする働きをしていますが、この腱鞘が炎症を起こした状態を腱鞘炎といいます。原因は、使いすぎによるものや、不明のものも多くあります。 |
五十肩
|
坐骨神経痛坐骨神経は、第4腰髄から第3仙髄より出た神経が集まって、腰から骨盤を経由してお尻へ、さらにももの後部を通って足へと向かう神経で、ひざから総腓骨(そうひこつ)神経と脛骨(けいこつ)神経に分かれます。全身の中でいちばん長く皮フに近いところを通っており、寒冷、圧迫、外傷などの影響を受けやすいので、神経痛が起こりやすくなります。坐骨神経痛の痛みはももの後部に沿って、ふくらはぎから足の裏にまで及びます。 |
骨粗しょう症骨粗しょう症とは、「骨強度の低下によって骨の脆弱性が亢進し、骨折リスクが増大した疾患」と定義されています。老化と密接な関係がある骨の老人性変化ですが、特に閉経期後の女性に多く見られ、男性でも70歳以降には増えてきます。骨粗しょう症になると、足のつけ根や手首、腕のつけ根などに骨折が起こりやすくなります。特に足のつけ根の骨折が原因で、寝たきりになるケースが増えています。原因は年齢による骨組織の老化に加えて、カルシウムの代謝や骨の新陳代謝を促すサイトカインという物質の過剰分泌を抑制するエストロゲンという女性ホルモンが分泌されなくなるため、骨の生成と骨からのカルシウム吸収のバランスがくずれて生じます。 |
変形性脊椎症脊椎とは「せきつい」と読み、一般的には「背骨」と呼ばれる部分の骨のこと。脊椎と脊椎の間にはクッションの役割をもつ「椎間板(ついかんばん)」があります。変形性脊椎症とは加齢によって脊椎や椎間板が変形し、腰痛を起こす症状です。高齢者に多くみられます。初期段階では症状がありませんが、進行すると慢性的な腰痛に悩まされます。主に起き上がるとき、立ち上がるときなど、動作を始めるときに痛みが強く出ます。 |
変形性膝関節症老化によってひざの関節軟骨が磨り減り、変形して、炎症が起こることによって痛みが生じる症状です。高齢の女性に多くみられます。始めは自覚症状がありませんが、だんだんと進行し、ひざの曲げ伸ばしが負担になり、正座ができなくなります。悪化すると歩くことができなくなることもあります。ひざには人の体重がかかります。肥満の方は痩せる必要もあるでしょう。 |
股関節症脚の付け根(そけい部)にある股関節の軟骨が磨り減り、変形する症状です。立ち上がるとき、歩き始めるときなどに痛みを感じます。先天性の場合と後天性の場合があり、生まれつき股関節が傷みやすい、子どもの頃に股関節を傷めた方などがなることが多く、患者の多くが女性。股関節に負担をかけないよう、生活を洋式に変えるなどの工夫が効果的です。 |
頚椎症一般的には「首」と言われる頚椎(けいつい)。頚椎症とは加齢によって頸椎や椎間板(ついかんばん)が変形して、脊髄や神経が圧迫される症状です。主に肩から腕までに痛みが生じる「頚椎症状」と腕のしびれや痛みがある「神経根症状」両手や両足にまでしびれが出る「脊髄症状」の3つの症状があり、それぞれ治療法も異なります。また脊髄症状では、歩行障害なども出現します。 |
関節リウマチ関節が炎症して腫れ、激しい痛みを伴う状態のこと。放置すると関節が変形して機能が失われることがあります。これらの症状は左右の関節に起こりやすく、よく似た病気である変形性膝関節症との違いはここにあります。患者は30~50代で発症することが多く、女性は男性の約5~6倍患者がいると言われています。原因は免疫の異常だと考えられていますが、はっきりと解明されていません。早期に治療することで進行を抑えることが可能です。 |
脊柱管狭窄症脊柱管(せきちゅうかん)とは背骨にある神経の通り道(管)のこと。加齢で背骨が歪み、脊柱管が狭くなると神経が圧迫され、圧迫される場所で症状は異なりますが、しびれや痛みが片足または両足に起こったり、腰痛に悩まされることになります。特に、重い荷物を持ったり、長時間運転する仕事をしていた方などはなりやすいと言われています。日頃から姿勢に気をつけることも効果的ですが、神経の血行を改善する薬の服用で症状が軽減する場合もありますので医師にご相談ください。 |
脊柱側弯症正面(または後面)から見て脊柱(せきちゅう=背骨)が横に曲がっている状態のこと。肩の高さや腰のくびれが非対称になるなど見た目にも変化が起こります。脊柱が曲がっているだけでなくねじれている場合があり、ひどくなると元には戻りません。思春期で発症することが最も多く、症状がないために気付かれないこともあります。加齢によって起こる老人性側弯症もあり、腰痛や呼吸器の障害が起こる場合があります。レントゲン撮影によって診断します。 |
半月板損傷ひざ関節の内側と外側にひとつずつある軟骨組織を「半月板」と言い、ひざの動きをスムーズにしたり、衝撃を分散させるクッションの役割を果しています。ケガや加齢で半月板が損傷すると、ひざに痛みが起こり、ひざが動かしにくくなります。スポーツの最中に起こす方が多く、ひどくなると歩行に影響が出ます。炎症をおさえる薬を服用して治療することもありますが、ひどくなると手術が必要になります。 |
骨折子どもの骨と大人の骨は特徴が異なるため、骨の折れ方が異なります。子どもの骨は修復能力が高く、ギブスで固定するなど適切な対策を行うことで手術をせずとも元通りになりますが、大人では手術をすることが多く、治療期間も長くかかります。さらにお年寄りは要注意。骨粗しょう症で骨が脆くなっていると、ひとつの骨の骨折だけではなく、粉砕型の複雑な骨折をすることがあります。骨折をきっかけに寝たきりや認知症になる方もみられ、手術が必要となります。 |
腰椎椎間板ヘルニア腰(腰椎)には5つの骨があり、それぞれの間にクッションの役割を持つ椎間板があり、衝撃を吸収したり、腰の曲げ伸ばしをサポートしてくれています。腰椎椎間板ヘルニアとは、この腰椎の椎間板が加齢に伴い変形し、突き出すことで神経が圧迫され、激しい痛みと下半身の痺れが生じる症状のことです。コルセットをして安静にし、必要に応じて内服薬や座薬、神経ブロック注射などで痛みを軽減する治療が行われます。症状が改善しない方は手術を行います。 |
頚椎椎間板ヘルニア首(頸椎)には7つの骨があり、それぞれの間にクッションの役割を持つ椎間板があり、衝撃を吸収するクッションの役割をしています。頸椎椎間板ヘルニアとは、加齢によって頸椎の椎間板が突き出すことで神経が圧迫され、激しい痛みやしびれが起こる症状のことです。圧迫される神経によっては、手の細かい作業が困難になったり、歩行障害が起こります。頸椎カラーで首の負担を軽減し、鎮痛薬や外用薬、注射などで治療します。 |
膝靭帯損傷膝の関節を安定させている4つの靭帯が単独もしくは複数切れることを膝靭帯損傷と言います。損傷が起こると膝の動作が不安定になったり、腫れや痛みが起こります。きっかけはバスケットボールやラクビーなどの激しいスポーツで強い力がかかることや転倒して脛をぶつけることなどが挙げられます。筋力が弱いため、男性より女性の方が発生しやすい症状です。損傷した場所や状態によっては自然には治らないので医師の診断に従いましょう。 |
肩腱板断裂肩の関節を安定させて、動きやすくするためにある肩の骨と骨の間にある腱板(けんばん)が切れた状態。特に外傷があったわけでなく、老化によって起こります。40代ぐらいから始まり、60代に多い傾向があり、肩の使いすぎが原因です。主に右肩に起こりやすいのが特徴で、肩が動かしにくくなったり、痛みが生じます。夜、痛みで眠れず悩む方もいます。安静にするとともに、注射療法、運動療法を行い、手術が必要なこともあります。 |
頚椎後縦靭帯骨化症背骨の骨と骨を縦につないで補強している靭帯のうち、背中側の脊髄にあるのが後縦(こうじゅう)靭帯です。この後縦靭帯が何らかの理由で分厚く、硬くなると、脊髄が圧迫されて神経に影響が生じます。手足がしびれたり、指が動きにくくなったり、つまずきやすくなるなど、日常生活が困難になっていきます。現時点では、原因は明確にされていません。ひどくなると手術が必要になります。 |
捻挫捻挫(ねんざ)とは、関節に強い外力が加わることで、関節を支える靱帯(じんたい)や関節包(かんせつほう)などの軟部組織が損傷することを指します。多くの場合、靱帯が伸びたり、一部または完全に断裂したりします。主な症状は、患部の腫れと痛みです。捻挫は、スポーツ中の激しい動きや日常生活での転倒など、さまざまな状況で発生します。応急処置としては、RICE(安静、冷却、圧迫、挙上)が推奨されます。 |