眠っている間に呼吸が何度も止まり、十分な睡眠がとれない病気です。肥満や扁桃肥大などによって、喉や気道が塞がることで発生します。主に肥満の方に多い症状ですが、顎が小さい「小顎症」の方も気道が狭いため、睡眠時無呼吸症候群になる可能性があります。
睡眠中に呼吸停止が何度も起こると、体内の酸素は減少します。足りない酸素を補おうと心拍数が上がれば、脳や体は休息できません。そのため、眠気から日中の仕事に影響が出たり、居眠りによる運転事故が発生しやすくなったりと、深刻な影響を及ぼします。
放っておくと、高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病のリスクが高まると考えられており、命にかかわることもあるため、軽視できません。
● 寝ている間
□ いびきをかく | □ 夜中に何度も目が覚める | □ 呼吸が止まっている |
● 起床した時
□ くちの中が乾燥している | □ 体がだるく、熟睡感がない | □ 頭が痛い |
● 日中
□ 眠気が強い | □ 集中力が続かない | □ 体がだるく、疲労感がある |
あてはまるものがあれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。寝ている間のことは家族に見てもらうといいでしょう。「よくあることだ」「ちょっと疲れているだけ」と思わず、日常生活を振り返ってみてください。気になることがあれば検査を行いましょう。お気軽にご相談ください。
CPAP(シーパップ)療法
睡眠中の無呼吸を防ぐため、専用の機器を使用して、鼻に装着したマスクに空気を送り、気道を押し広げる治療法です。
マウスピース(スリープスプリント)
睡眠中に下あごが上あごよりも前方になるようマウスピースで固定することで、気道を広く保ち、呼吸をしやすくする治療法です。
太りすぎない
睡眠時無呼吸症候群は首まわりや喉に脂肪がつくことが発症の大きな要因になります。適正体重を意識し、肥満にならないように気をつけましょう。
飲酒を避ける
アルコールは筋肉を弛緩させる働きがあります。緩まることで気道が狭くなり、無呼吸になるリスクが上がってしまいます。毎日寝酒をしているという方は、出来る限りやめるようにしましょう。
アレルギー性鼻炎などの治療
鼻に疾患がある場合、鼻呼吸より口呼吸になってしまいがちです。口呼吸は鼻呼吸より気道が狭くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群の要因を作ってしまいます。きちんと治療をしましょう。